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自然妊娠とは異なり、人工授精では医師が患者のみなさまの排卵日を正確に予測します。そして排卵のタイミングで、人工授精用カテーテルで、スクリーニング後の精子を慎重に子宮に注入します。治療はわずか数分で終了しますが、高度な技術を要する医療行為です。
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「年齢」は女性の生殖能力に大きな影響を及ぼします。文献によると、35歳未満の女性の体外受精による妊娠率は約30%ですが、40歳を超えると妊娠率は10%まで下がり、42歳を超えると5%を下回ります。45歳を超えた女性が自身の卵子を使って体外受精をしても、妊娠はほとんど望めません。
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長きにわたる疫学研究の結果、生殖能力が衰える分岐点は35歳という見解が臨床医の間では一般的です。35歳未満の男女が1年以上避妊せず性交を行っているにもかかわらず、妊娠の成立を見ない場合、または35歳以上の男女が半年以上避妊せず、定期的に性交を行っているにもかかわらず、妊娠の成立を見ない場合、もしくは、子宮内膜症、骨盤内炎症性疾患の既往がある、先天性の生殖障害、性機能障害など、不妊症の原因となる疾患を抱えている場合も、速やかなカウンセリングが必要です。
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はじめに腟・子宮・卵巣など、重要な生殖器の位置や機能の異常の有無を確認します。
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男性は女性と比べ、生理的な構造が違うため男性不妊症の検査は女性より簡単です。しかし、診断と治療過程は女性より複雑で、疎かにできません。
男性の場合、初診の外来検査の際に既往歴(これまでの性生活の状況、性病、外科手術の経験、職業、飲酒や喫煙の習慣、薬物の使用など)について確認し、身体測定、陰茎検査、精巣・肛門の触診を行います。さらに精液を分析し、その結果に基づき他に実施必要な検査を決定します。